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2007年8月 4日 (土)

垢太郎

お風呂の楽しみの一つが「垢を見る」ことです。

 ・・・ドン引きでつか?

 

連日の暑さで汗ベッタベタですから、毎日どんだけ出んのかワクワクです。

ボディーソープでは垢がダマにならないのでここは矢張り石鹸に限ります。しかも石鹸が多すぎると泡に垢が埋もれ残念な結果になるので、石鹸の量には神経質にならざるを得ません。
そして体中の毛穴が広がるようにじっくりお湯に浸かり、大汗をかいたときがチャンス!必要最低限の石鹸でひたすら体をこすり洗いすれば、垢すりタオルが垢を含んでいい感じになってきます。泡が僅かに残る微妙なラインで仕上げるのは熟練のなせる技の妙です。
洗い終わると洗面器に八分目のお湯を入れ、お湯があふれない様に注意しながらタオルを沈めます。全ての努力はこの瞬間のためにあります。

 

・・・・スゲー!

 

私の体の表面で戦っていた同胞達の亡骸が洗面器の中に累々として浮いてきます。

そうそれは、まさしく至福!

連日これだけの細胞が入れ替わってるんですね!私は私の姿をして変わらないのに、その構成材はわずかな期間で総入れ替えされている事が実感できます。骨ですら2年で全て入れ替わるそうですし、入れ替わりのスパンは想像以上に短いんですね。

自分というものは「データ」なのかなと感じます。「データ」に従って実体を構築し、更新し、修復もするのです。「肉」ではない「中身」こそが人間だということを、山の様な垢が教えてくれている様に思えてなりません。

人間ばんざい!

 

垢の観察はそんなに長くは出来ません。沈降するまでの約十数分間に限られます。何とか垢が保存出来ないものか小学生の頃にチャレンジしましたが、自分の垢であっても数時間後には「愛情」が消失してしまう事が分かりました。つまり「きったねー!」という感覚に変わってしまうのです。「自分のよだれ」でも「口から出た瞬間に非常に汚いものに感じてしまう」のと同じ感覚でしょうか。

頭皮の垢を観察するため、週に1~2回は洗髪も石鹸で行います。頭皮の垢は相対的に脂肪分が多い事も分かります。頭皮の健康チェックにも効果を発揮してくれそうですし、何より実に爽快です。

そんな「垢好きん」なパカ山も、やはりというか他人の垢は大嫌いです。

中国(ビルマ国境まで20キロのメチャ暑い場所)に出張中、上司と相部屋だったのですが、外から帰るととりあえずシャワーを浴びるんですね。
「僕はシャワーだけでいいから君はゆっくり入っていいよ」と上司は言うのですが、ユニットバスの底に置いてある滑り止め板が上司の垢だらけになってまして、「ゆっくり入れるわけねーだろ!」と心の中で叫んでいました。他人の垢ほど嫌なものはないですね。

沢山の人間が一度に利用する旅館や寮の風呂も翌日にはヘドロ状の垢が底に沈みます。あれもダメですね。見てられません。

つまりは、自分の体から出たばかりの新鮮な垢にしか愛を感じない様です。人間の心理と言うものは実に複雑です。

そして今夜も自分の垢たちと対面するのが楽しみです。

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