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2008年6月16日 (月)

タナカ M700 A.I.C.S.をいじる

2ヵ月前のゲームでお預かりしたタナカのガスボルトM700は、そのカスタム方針で相当悩む事になりました。

例によって凝り性の虫がウズウズしてくる一方、極力シンプルに且つ効果的に出来ないかと考え、方針を立てたり改めたりを繰り返しているうちにあっというまに一月程が経過しました。

ちなみに余談ですが、おいらはひと様の銃をカスタムすることは殆どありません。大抵断ってますので今までのトータルでも10本位しかやったことがありません。
今回二つ返事でお受けしたのはタナカのガスボルトをいじりたかった事と商売の種にならないかとの淡い期待を持ったからでした。結果としては商売にはなりそうになかったので完全に個人的な楽しみになりました。

じゃ早速加工内容です。

オーナーさんは既にKJチャンバーとTNバレルを購入されてましたが、マイナーチェンジ後の銃でしたのでKJチャンバーのサイズが合っていませんでした。またTNバレルもVSRのパッキン対応ではなくM14対応型でしたので気密にも問題がありました。なのでまずはそこからいじります。

Tanaka_m700_aics_1 まずはVSRのパッキンに対応させるために溝を掘りました。
旋盤があればまぁ楽勝です。
それとこれが重要なのですが、溝とホップ窓の間に1mm程に細切りした銅箔テープを一周巻いておきます。その1mm幅の部分だけホップチャンバーとインナーバレルの締め付けがキツくなるわけです。

 

Tanaka_m700_aics_2 続いてKJチャンバーの先端を1mm弱削ります。
ホップ調整部の位置を揃える為に現物合わせで加工しました。

 

Tanaka_m700_aics_3 さらにKJチャンバーからはみ出すパッキンもチャンバーブロックに干渉するので処理します。

 

Tanaka_m700_aics_4 チャンバーブロックをパッキンの分だけ掘り込みました。これで位置合わせは完璧です。

 

Tanaka_m700_aics_5 続いて真鍮丸棒に3.5Φの穴を穿孔します。
気密が上がるのでノーマルの規制対応型より約0.1mm細い内径にしておきました。

 

Tanaka_m700_aics_6 続いて外側を削ります。ノーマルノズルとVSRパッキンの組み合わせでは気密もクソもなかったので直径は6.52mmにしました。気密を取る限界の細さです。
これ以上太くすると給弾に問題が出てきます。

 

Tanaka_m700_aics_7 ノーマルノズルとの比較です。
ノーマルは先端の外径が6.3mmしかありませんが根元側は6.5mm近くあります(ちなみにガタガタです)。

 

Tanaka_m700_aics_8 ボルトに叩き込みます。

 

Tanaka_m700_aics_9 ノズルの突き出し量を決めると長さを切って更に先端を「Φノズル」化しておきます。
世界に一つしかないタナカM700用Φノズルですw

 

Tanaka_m700_aics_10 ボルトの動きが渋いので矢印の部分を削りました。レシーバー側も干渉部分を削っておきます。

 

Tanaka_m700_aics_11 続いてKJチャンバーの追加工。
ボルトとの干渉を避けるため外径を細くし内径を拡大します。給弾口は30度のテーパーです。
ネジ一個で固定されたチャンバーなので旋盤のバイトから品物が逃げてしまうのでテーパー以外の内径は殆ど手作業で加工しました。結構手間かかってます。

 

Tanaka_m700_aics_12銅箔テープでガタ取りをして、抜け止めにM4ホロセットで両側から挟みこむ構造にしました。
飽くまで抜け止めなのでセンターを見ながら軽く締めるだけです。
これでチャンバー部分は完成ですがインナーバレルはフラフラしています。

 

Tanaka_m700_aics_13次にアウターバレルの加工に行きます。
用意したのはKM企画製のAPS-2用ブレ止メスペーサーです。
このパーツは加工の材料にホント重宝します。私のコレクションの最後の一個を潰しましたw
加工自体は外径を削って、チャンバー側(上)の内側にテーパーを付けて、マズル側(下側なので見えません)の内径を大きく削っておきます。
2個のOリングでインナーバレルのブレを取る構造ですが、私は昔からOリングは一個しか付けません。その方が良いからです。理由は後述します。

そんでこのパーツをアウターバレル内に先端から叩き込みます。結構な力でぶちこみました。

 

M7001 こういう構造になります。
インナーバレルの先端よりもうしろ側をOリングが支えます。先端にしないのはインナーバレルが自重でたわむのを防ぐためです。
チャンバー側は緩めのパッキンでルーズに固定されています。ただ銅箔テープを巻いた1mm幅の部分のみ少しキツめになっています。
そんでインナーバレルと接触しているのはゴムパーツのみです。

 

M7002 そのためアウターバレルとチャンバーのセンターがズレてもインナーバレルにストレスを掛けません。
絶対にセンターは出ないと思ったのでセンターを出す必要のない構造にした訳です。
発射時に振動を殆ど生じないガスボルトならでは。これが今回のミソですね。

 

Tanaka_m700_aics_14そしてこれは保険。インナーバレルのズレでマズルにBB弾が当たる事が無い様にマズル先端を掘り込みました。幾らなんでもそこまでズレないでしょうが安全第一です。
ついでに黒染めにムラがあったので塗装する理由にもなります。

 

Tanaka_m700_aics_15これで完成です。
オーナーのタツさんとはゲームの時しか会えませんので昨日のゲームでお渡ししました。

Photo_2 タツさんは2年半前にこの銃を購入されたそうです。
しかし実射性能の低さからゲットはなかったそうです。
そして今回早速実戦投入され、この銃での2年半越しの悲願の初ゲットを達成されました。
昼食後に2回行われた「電動ガン禁止ゲーム」にも投入されてそこでも3ゲット!
これまではスコープの中からBB弾が消えていく事もあったそうで、大変喜んで下さいました。 

おいら的には当初の目標であるGスペ箱出し並の集弾はクリアできたので満足です。ガス圧が不安定なのさえ何とかなればもっと纏まりそうな予感がします。
ネットで調べてみるとマガジンのバルブの動きが渋いそうで、そこを改善すれば初速のバラつきもおさまりそうですね。
そうなったらこの銃は発射音も凄く静かだし、かなり強力な武器になりそうです。

「M700 A.I.C.S. 」・・・・カコイイですね。すっかり情が移ってしまいましてメチャ欲しくなりました。

ではではまた。

 
 

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コメント

チャレンジぐぅ〜なタナカのガスライフルシリーズのカスタム良かったですね。タツさんも喜んでましたね。
ガスの安定化が、やはりネックですね。あれで、安定したら、無音に近い暗器に成りますから、フィールドでは恐怖ですね。
ルーズな作りを精度を出す努力には、頭が下がります。
中華クオリティーの銃のカスタム依頼が結構きていて、てんてこ舞いな現状ですが、ある程度の妥協策で、見違える程に成るので、カスタムのしがいが有りますよ。一度、茨の道に手を染めてみては?かなり泥沼ですが、楽しい発見が有って、良いですよ。
リアルパーツを奢るのも楽しいですが、中華の値段には、何時も感動してます。

投稿: 弐の槍 | 2008年6月16日 (月) 20時55分

遅ればせながら今回のカスタムありがとうございました。
やはりスナイパーライフルを構えるからにはレティクルのど真ん中に弾が飛んでく以上の喜びはありません。
それにしても受け取って最初にボルトオープンしたときの感想は「うぉっ!知らん部品付いとる!」でした。
ここまで仕上げていただいたからには今シーズン中にはマガジンのガス関係含めて調整を煮詰めて行こうと思います。
こうもまざまざと効果を見せ付けられると精密射撃にも興味が沸いてきます。
次回のゲームではバイポッド装備で逝きます!

投稿: タツ | 2008年6月16日 (月) 23時56分

弐の槍さん、ガスが安定したらマジで怖い銃になりますね。値段がもう少し安ければ嬉しいんですけどね。日本軍シリーズとかもありますし・・・って日本軍シリーズもカスタマーにはかなりな強敵っぽいです。
 
中華製品はすいません、おいらにはムリです。こらえ性がない性格なので外装の一部以外は多分これからも買わない気がします。
そういう銃をサクサク仕上げていく弐の槍さんの技術と仕事の早さはおいらには本当に驚異です。マジ尊敬します。
 
 
 
タツさん、ご満足頂けて良かったです。
おいらもあの銃のカコヨサにすっかり情が移ってしまいお引渡しの時にはちょっぴり寂しかったですw
あのマガジンはガス圧自体はかなり高く、18cm程のバレル長があればノーマルノズルでも80m/sを超えるくらいでした。その状態で50cmのバレルに換装したら90ちょいでしたので、流量不足も考えられます。
乗りかかった舟ですので何かありましたらいつでも連絡して下さい。
 
それと「パカ山クラフト・コンプリートカスタム」にはその証として「痛いシール」を貼るのが通常なのですが、今回は貼るのを忘れていました。
今度持って行きますんで必ず貼って下さい!
・・・・・・すいません、うそです。
また次回ゲームでも宜しくお願いします。
 

投稿: パカ山 | 2008年6月17日 (火) 00時53分

このM700系は、ボクも弄ったのですが、
初期型のためKJチャンバーと相性が良く
ヤフオクにもノズルが出てたので、規制パーツを
先端に入れましたので、内径が細く
ある意味φ化出来ていたかもです。
ロングノズルでもφ化は効果ありそうですね。
いやロングノズルだからこそΦ必要かもですね。
あと、G&Gのアウターですと、内径が8.6mmで
バレルスペーサーが要りません。
ボクのはスコープから消えることはありません。
評判悪いですが、弄れば凄くよくなりますね。
ただ、ガスですので、季節によっては飛距離が落ちたり
レギュオーバーしたりと使いにくい面もありますね。

投稿: DF海軍研究所 | 2008年6月17日 (火) 01時17分

DF海軍研究所さん、ブログ拝見させて頂きました。
フルチューンM700、素晴らしいです。そして、ガス銃は飛びますね。
G&Gアウターは価格の面で見送りました。自分の銃ではないので極力安く仕上げたかったものですから。
ところであのアウターは中間先端寄りになんか変な部品が付いてますけど何ですか?すごーく気になっています。
 
タナカガスボルトは最後の詰めが甘かった銃の様な気がします。あとほんの少しユーザーにフレンドリーな気遣いをしてくれていれば、鑑賞にも耐えサバゲでも恐怖の的になる素晴らしい銃として誕生する事も出来た筈です。素質はあるだけに惜しいですよね。

投稿: パカ山 | 2008年6月17日 (火) 01時51分

撃てるモデルガンがタナカのガスボルの評判です。
あのアウターの変な部品は、G&G社のSR-15用
QDサイレンサーのアダプターですね。
SR-15のガスブロックと同じような加工がしてあります。面白いでしょう。

ボクのSR-25は当初予算が無くて、フロントは余り物の
SPR用だったんですよ。で、時期が来て、
鉄アウター付きのG&GのSR-15フロント中古が入手できたんですね。
SR-25とSR-15のフロントは同じような形ですから。
そしたらサイレンサーが欲しくなって、海外パーツに強い
店で調べたら、M700アウターにも使えるので、
まあ、2丁の銃で使えるなら1万円のサイレンサーも
1丁5000円だなと。

あと、AICSも2ndロット以降のモデルなので、
アウターは、差し込んでストックのネジで固定なんですが
初代だけは、バレルナットでアウターとレシーバーを締め付けるので、
そのストックとの結合のネジ(M700の場合スリングアダプター)とアウターの結合部品を付けなければ
フリーフロートになります。面白いことに、接合パーツを
付けなければ付かないスリングアダプターがM5ナットで
付けれるように最初からストックがなってました。
当初はインナーとアウターの間にSUSのショットブラストの玉を封印してサンドバレルにするつもりでした。
G&Gアウターは剛性があるので、FF化してもバレルが曲がるといったことはありませんでした。

あと、マガジンのインパクトプレートが変形しやすいのと、内部のバルブの動きが渋いので
そのあたりを修正すれば、完璧になると思いますね。そのΦノズルボクにも作ってくださいな(笑)

投稿: DF海軍研究所 | 2008年6月17日 (火) 07時55分

いや!感服いたしました!
先生のカスタムは一般のカスタムを凌駕してます!

市販パーツを組んでハイサイやメタルパーツを組むレベルの某とはまさに天と地ですね!

オリジナルパーツを作成したり市販パーツを加工とはなかなかできるものではありませんからね!

流石パカヤマクラフト!

投稿: 総大将 | 2008年6月17日 (火) 20時47分

痛~い想いをした僕の手元にはまだ「痛いシ-ル」がありませんが・・・なぜ^^

テッポ-は2.3丁しか有りませんが10枚程ください^^

流石パカヤマチュ-ン! 憧れます^^

投稿: JP/N畑 | 2008年6月17日 (火) 22時12分

DF海軍研究所さん、凄く勉強になります。マガジンのバルブ部分までは手が回らなかったので今度いじる機会があれば参考にさせて頂きますね。
M700用Φノズルは多分ロットによって長さが変わります。実は今回のA.I.C.Sではノーマルでは弾ポロでしたのでノズル長は短縮してるんですよ。
Φノズルは今は時間が無いのですぐには作れませんが、外形寸法と内径を教えて頂ければ時間がある時に1点モノで作りますね。いつになるか分かりませんので気長に待っていて下さい。それとΦノズルはノズル内にBB弾が入り込まないのでノズル長の測定には注意して下さい。
ちなみに・・・・・・・お安くしときます(爆)
 
 
 
総大将さん、市販パーツを組み合わせてベストなセッティングを出すのも高度な技術ですよ。むしろ自作パーツの方が自由度が増すのでラクだと思います。根気は要りますけどねw
最近久しぶりに(5年ぶり?)他人の銃を立て続けにいじったので結構エネルギーを使いました。でも喜んで頂ける嬉しさを思い出しました。

投稿: パカ山 | 2008年6月17日 (火) 22時21分

JP/N畑さん、分かりました!「痛いシール」沢山持っていきますね。
「エウ○カ」と「プ○キュア」、どっちが良いですか?
あ、今なら特別にゴー○ン・イエローのスマイル満開シールも自作しますよ。
 
・・・・・・調子コキました、お許し下さいw

投稿: パカ山 | 2008年6月17日 (火) 22時41分

こんにちは。いつも勉強させていただいております。ド素人な質問で申しわけないですが、ノズル長は一般的にどのようにベストを出しているのですか?

投稿: ジル | 2008年6月20日 (金) 17時09分

ジルさん、一般論は分かりませんが、我流では、棒でBB弾を押し込んでみて手の感覚で位置を決めていますw
つまづきホップから少しずつノズルを長くしていくとあるラインまでは集弾の向上が見られますがそれを過ぎるといくら長くしても変わらなくなりますので、そのラインより少し長めにしています(結構アバウトでも良いって事です)。弾ポロするギリまで追い込む事はしません。
具体的には棒で押し込んでその長さを測り、少し長めのノズルを作成してから様子を見ながら縮めています。
経験で判断してる部分もあるのでトライ&エラーで頑張ってみて下さい。
 

投稿: パカ山 | 2008年6月20日 (金) 20時52分

こちらでパカ山さんのノズルのことが取り上げられています。
なんだか適当呼ばわりされていますよ。

投稿: 某掲示板の名無し迷彩 | 2008年9月11日 (木) 05時49分

某掲示板の名無し迷彩さん、はじめまして。
どこに書いてあるのか探すの苦労しましたw
でもφノズルは褒めて下さってるので嬉しかったりします。
 
0.05mm読み間違いでしたか・・・失礼しました。
 
 
 
 
うまいボケが見つからなくて普通のレスですいません。

投稿: パカ山 | 2008年9月11日 (木) 14時05分

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