タナカ M700 A.I.C.S.をいじる
2ヵ月前のゲームでお預かりしたタナカのガスボルトM700は、そのカスタム方針で相当悩む事になりました。
例によって凝り性の虫がウズウズしてくる一方、極力シンプルに且つ効果的に出来ないかと考え、方針を立てたり改めたりを繰り返しているうちにあっというまに一月程が経過しました。
ちなみに余談ですが、おいらはひと様の銃をカスタムすることは殆どありません。大抵断ってますので今までのトータルでも10本位しかやったことがありません。
今回二つ返事でお受けしたのはタナカのガスボルトをいじりたかった事と商売の種にならないかとの淡い期待を持ったからでした。結果としては商売にはなりそうになかったので完全に個人的な楽しみになりました。
じゃ早速加工内容です。
オーナーさんは既にKJチャンバーとTNバレルを購入されてましたが、マイナーチェンジ後の銃でしたのでKJチャンバーのサイズが合っていませんでした。またTNバレルもVSRのパッキン対応ではなくM14対応型でしたので気密にも問題がありました。なのでまずはそこからいじります。
まずはVSRのパッキンに対応させるために溝を掘りました。
旋盤があればまぁ楽勝です。
それとこれが重要なのですが、溝とホップ窓の間に1mm程に細切りした銅箔テープを一周巻いておきます。その1mm幅の部分だけホップチャンバーとインナーバレルの締め付けがキツくなるわけです。
続いてKJチャンバーの先端を1mm弱削ります。
ホップ調整部の位置を揃える為に現物合わせで加工しました。
さらにKJチャンバーからはみ出すパッキンもチャンバーブロックに干渉するので処理します。
チャンバーブロックをパッキンの分だけ掘り込みました。これで位置合わせは完璧です。
続いて真鍮丸棒に3.5Φの穴を穿孔します。
気密が上がるのでノーマルの規制対応型より約0.1mm細い内径にしておきました。
続いて外側を削ります。ノーマルノズルとVSRパッキンの組み合わせでは気密もクソもなかったので直径は6.52mmにしました。気密を取る限界の細さです。
これ以上太くすると給弾に問題が出てきます。
ノーマルノズルとの比較です。
ノーマルは先端の外径が6.3mmしかありませんが根元側は6.5mm近くあります(ちなみにガタガタです)。
ノズルの突き出し量を決めると長さを切って更に先端を「Φノズル」化しておきます。
世界に一つしかないタナカM700用Φノズルですw
ボルトの動きが渋いので矢印の部分を削りました。レシーバー側も干渉部分を削っておきます。
続いてKJチャンバーの追加工。
ボルトとの干渉を避けるため外径を細くし内径を拡大します。給弾口は30度のテーパーです。
ネジ一個で固定されたチャンバーなので旋盤のバイトから品物が逃げてしまうのでテーパー以外の内径は殆ど手作業で加工しました。結構手間かかってます。
銅箔テープでガタ取りをして、抜け止めにM4ホロセットで両側から挟みこむ構造にしました。
飽くまで抜け止めなのでセンターを見ながら軽く締めるだけです。
これでチャンバー部分は完成ですがインナーバレルはフラフラしています。
次にアウターバレルの加工に行きます。
用意したのはKM企画製のAPS-2用ブレ止メスペーサーです。
このパーツは加工の材料にホント重宝します。私のコレクションの最後の一個を潰しましたw
加工自体は外径を削って、チャンバー側(上)の内側にテーパーを付けて、マズル側(下側なので見えません)の内径を大きく削っておきます。
2個のOリングでインナーバレルのブレを取る構造ですが、私は昔からOリングは一個しか付けません。その方が良いからです。理由は後述します。
そんでこのパーツをアウターバレル内に先端から叩き込みます。結構な力でぶちこみました。
こういう構造になります。
インナーバレルの先端よりもうしろ側をOリングが支えます。先端にしないのはインナーバレルが自重でたわむのを防ぐためです。
チャンバー側は緩めのパッキンでルーズに固定されています。ただ銅箔テープを巻いた1mm幅の部分のみ少しキツめになっています。
そんでインナーバレルと接触しているのはゴムパーツのみです。
そのためアウターバレルとチャンバーのセンターがズレてもインナーバレルにストレスを掛けません。
絶対にセンターは出ないと思ったのでセンターを出す必要のない構造にした訳です。
発射時に振動を殆ど生じないガスボルトならでは。これが今回のミソですね。
そしてこれは保険。インナーバレルのズレでマズルにBB弾が当たる事が無い様にマズル先端を掘り込みました。幾らなんでもそこまでズレないでしょうが安全第一です。
ついでに黒染めにムラがあったので塗装する理由にもなります。
これで完成です。
オーナーのタツさんとはゲームの時しか会えませんので昨日のゲームでお渡ししました。
タツさんは2年半前にこの銃を購入されたそうです。
しかし実射性能の低さからゲットはなかったそうです。
そして今回早速実戦投入され、この銃での2年半越しの悲願の初ゲットを達成されました。
昼食後に2回行われた「電動ガン禁止ゲーム」にも投入されてそこでも3ゲット!
これまではスコープの中からBB弾が消えていく事もあったそうで、大変喜んで下さいました。
おいら的には当初の目標であるGスペ箱出し並の集弾はクリアできたので満足です。ガス圧が不安定なのさえ何とかなればもっと纏まりそうな予感がします。
ネットで調べてみるとマガジンのバルブの動きが渋いそうで、そこを改善すれば初速のバラつきもおさまりそうですね。
そうなったらこの銃は発射音も凄く静かだし、かなり強力な武器になりそうです。
「M700 A.I.C.S. 」・・・・カコイイですね。すっかり情が移ってしまいましてメチャ欲しくなりました。
ではではまた。
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